麻原彰晃元死刑囚の遺骨 次女が引き取りへ 最高裁
裁判のニュースがありました。
07月05日 17時15分
オウム真理教元代表の麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚の遺骨を遺族の誰が引き取るかが争われた審判で、最高裁判所は、海に散骨する意向を示していた四女などの特別抗告を退ける決定をし、次女が引き取ることが確定しました。
2021年7月6日 5時54分
オウム真理教元代表の麻原彰晃本名・松本智津夫元死刑囚の遺骨の受取人を次女とする決定が確定したことについて、次女の代理人の弁護士が5日夜、「次女はオウム真理教や後継団体と一切関係なく、父の遺骨が宗教的に利用されることを望んでいない」とするコメントを出しました。
3年前の7月6日、松本智津夫元死刑囚に死刑が執行されたあと、遺骨の引き取りをめぐって遺族の間で争いが起き、遺骨は東京拘置所で保管されてきました。
次女と四女が受取人を確定させる審判をそれぞれ申し立てたのに対し、東京家庭裁判所は去年、海に散骨する意向を示していた四女ではなく、次女を受取人とする決定をし、東京高等裁判所も、ことし3月に同じ判断をしました。
これを不服として、四女のほか、妻と次男も特別抗告しましたが、最高裁判所第3小法廷の戸倉三郎裁判長は5日までに退ける決定をし、次女を遺骨の受取人とする決定が確定しました。
松本元死刑囚の遺骨を巡っては、オウム真理教から名前を変えた「アレフ」の信者などの崇拝の対象になりかねないと懸念されていました。
最高裁の決定を受け、次女の代理人を務める弁護士は5日夜「次女が望んでいることは、父を家族として静かに悼みたいということに尽きる。次女は、オウム真理教や後継団体と一切関係なく、父の遺骨が宗教的、政治的に利用されることを決して望んでいない」とするコメントを出しました。
一方、公安調査庁は「公安調査庁としてコメントする立場にない。引き続き、観察処分を適切かつ厳格に実施し、当該団体の活動状況を明らかにしていく」としています。
次女の代理人のコメント詳細
次女の代理人を務める安西敦弁護士は5日夜、コメントを出しました。
コメントでは「次女が望んでいることは、父を家族として静かに悼みたいということに尽きる。次女は、オウム真理教や後継団体とは一切関係なく、むしろ、長年にわたってアレフと訴訟で戦ってきた。次女は、父の遺骨が宗教的、政治的に利用されることを決して望んでいない」としています。
そのうえで、遺骨の受取人を決める審判について「審判でもオウム真理教や後継団体などと関係がないと主張し、そうした団体に利用されることなく、家族だけで悼むことができるよう、みずからが受取人に指定されるよう求めてきた。東京家裁、東京高裁、そして最高裁の判断は、次女の主張や思いを正面から認めてくれた」としています。
また「次女がオウム真理教や関連団体と関係があるとか、次女が引き取り人となることで遺骨が関連団体にわたるかのような、事実と異なる報道をしないようにお願いしたい。次女ら家族は、そうした報道にずっと傷つけられ、社会で壮絶な差別を受け続けてきた。どうか亡き父を静かに悼みたいという家族の思いを理解していただき、プライバシーを尊重してほしい」としています。
2021/7/5 17:20
最高裁第3小法廷(戸倉三郎裁判長)は、平成30年7月の死刑執行後、法務当局が保管しているオウム真理教元教祖の麻原彰晃(しょうこう)元死刑囚=本名・松本智津夫(ちづお)、執行時(63)=の遺骨と遺髪について、次女(40)に引き渡すとした決定を不服として四女(32)側が申し立てた特別抗告を棄却した。7月2日付。遺骨などを次女に引き渡すとした決定が確定した。
公安当局は、遺骨などがオウム真理教の後継団体「アレフ」信者らの崇拝対象になる可能性があるとしており、引き渡し先が法的に決まったことで、改めて警戒を強めるとみられる。
麻原元死刑囚は、元教団幹部の妻(62)との間に2男4女がいる。関係者によると、元死刑囚は執行直前、係員が遺骨の引き取り先の意向を尋ねた際に「四女」と答えたとされる。四女は受け入れを表明したが、次女や三女(38)らが「元死刑囚は当時、意思疎通が難しい状態で、特定の人を指定することはあり得ない」と反発。これとは別に妻らも引き渡しを求めており、争いとなった。
次女と四女が提出書面に基づき非公開で裁判官が判断する審判を東京家裁に申し立て、家裁は昨年9月、次女に引き渡すと決定。四女側は即時抗告したが、今年3月に高裁が棄却したため、特別抗告していた。
2021/7/6 01:03
オウム真理教元教祖の麻原彰晃(しょうこう)元死刑囚=本名・松本智津夫(ちづお)、執行時(63)=の遺骨と遺髪の帰属をめぐる家事審判で、遺骨などの引き渡し先を次女(40)とする決定が確定したのを受けて、次女の代理人弁護士は5日夜、「次女はオウム真理教や後継団体などと一切関係なく、遺骨が宗教的、政治的に利用されることを決して望んでいない。審判でも後継団体などと関係がないことは主張してきた」などとするコメントを出した。
2021年7月5日 18:51 (2021年7月6日 0:04更新)
2018年7月に死刑が執行されたオウム真理教の元代表、松本智津夫元死刑囚(麻原彰晃、執行時63)の遺骨の引き取りをめぐる家事審判で、最高裁第3小法廷(戸倉三郎裁判長)は5日までに、四女側などの特別抗告を棄却する決定をした。次女に引き渡す判断が確定した。
決定は2日付。裁判官5人全員一致の意見。
松本元死刑囚は執行直前、係員から遺骨の引き取り先を尋ねられ、四女を指定したとされる。受け入れを表明する四女に対し、次女らが反発。妻らを含めて、親族間で争いが生じていた。
次女と四女の申し立てに基づく家事審判で、東京家裁は20年9月に次女へ引き渡す決定をした。東京高裁も21年3月、家裁の判断を支持する決定を出し、不服とする四女側と妻側がそれぞれ特別抗告した。
遺骨は法務当局が保管している。公安当局は松本元死刑囚の遺骨などが崇拝対象になる可能性を懸念し、今後の動向を注視するもようだ。
次女の代理人の安西敦弁護士は、次女はオウム真理教や後継団体と一切関係がないとして「遺骨が宗教的、政治的に利用されることを決して望んでいない」とするコメントを出した。
四女と代理人の滝本太郎弁護士は最高裁決定について「故人の自己決定権を侵害した判断を是認しており適正ではない。憲法違反の判断を誤っている」としている。