第二官僚
第二官僚(官邸官僚)という言葉がありました。
https://yashio.hatenablog.com/entry/20200320/1584636100
第二官僚
「第二官僚」という用語は、元外交官で作家の佐藤優が『官僚の掟』の中で提示している。第二官僚には以下のような特徴が見られる。
官邸官僚こそが日本をダメにしている元凶~日本の癌細胞ですね。
https://fujipon.hatenadiary.com/entry/gendainofascism
片山:天皇を巡るリベラル派と保守派のあり方に反転現象が起きているわけですね。
かつては左翼の人々は、天皇が民衆と触れあうと「天皇制を維持するためのパフォーマンスだ。象徴なんだから大人しくしておけ」と批判した。でもいまどき天皇制を廃して共和制に移行すると訴えてもリアリティがありません。野党は政権と対立する天皇を担ぎはじめた。まさに天皇に相乗りしている状況です。
佐藤:戦後民主主義を尊ぶ今上天皇の意思に反する逆賊安倍という構図ですね。
こう見ていくと第二官僚を重用する安倍政権は官僚制と馴染みがあるイタリアファシズムに近い。一方、日本人の潔さや武士道精神といった日本人的美意識に基づいたファシズムと相性がいいのがリベラル派。いま国民はどっちのファシズムがいいのかの選択を迫られているのかもしれません。
日本人は、日本をダメにした連中を探すために「第二官僚」も検証しなければなりません。
〈(第二官僚とは)法の下の平等という原則のもとで働く官僚とは異なる働き方をする官僚たちです。原型は小泉政権で政治任用された竹中平蔵氏に求められると思います。その場合と同じように、安倍総理に近い現役官僚に加え、総理にさまざまな肩書で起用された、官僚OBや学者、財界人も「第二官僚」だといえます。つまり民間人による「新官僚」です。そこでは、専門性も実務能力も高い官僚によって成り立つ既存の府省の頭越しに、政策が作られているように見えます。第二次安倍政権から5年9カ月、「第二官僚」は、誰かが設計図を引いたわけでもないのに、それで完結した一つの「制度」になりつつあるようです。
ワイマール憲法とナチス/「第二官僚」は日本の統治機構の中でどのように成り立っているのでしょうか。安倍総理は、自分と距離の近い「第二官僚」による政治を進めるために、新たに法律を作ったわけではありません。基本的には、重要政策ごとに諮問会議を立ち上げ、経産省をはじめ各省庁からの出向者を事務担当にするというやり方です。現行制度の枠内で、政治と官僚との間に変化を起こしました。
諮問会議でまとめられた内容が、実質的に政策の骨格になっています。しかしその委員は選挙によって直接国民に選ばれた人たちばかりではありません。いわば、民主主義が「迂回(うかい)」されているのです。/麻生太郎財務大臣が学んだという「ナチスの手口」とはこのようなものです。(以下略〉(150ー151頁)
片山:いままで省庁同士が対立しても、互いの利害や異なる意見を集約して折り合いをつけて、客観的な均衡点を見出してきた。その均衡点に対し、外部の評価も入った。しかし内閣府に権力が集まると、これまで担保されていた透明性や合理性が無視されてしまう。
佐藤:そう説明していただくと内閣府の役割が、ナチスドイツの党と重なってきますね。実は、すでに日本には第二官僚とも言える人たちも登場しています。要は総理のお友だちです。
日本の近代史を紐解くうえで、明治維新以降の官僚制度を理解しておく必要があるでしょう。