真我、アートマン、プルシャ、ニルヴァーナ
「自分」と呼んでいる存在の本質は何だろうか?
古今東西の言説を見渡すと、古代インドの説話の中で、「アートマン」「プルシャ」「真我」と呼ばれる存在として説明されていた。
あるいは「涅槃」(ニルヴァーナ、真我独存位)と呼ばれる状態として説明されていた。
アートマン(आत्मन् Ātman)は、ヴェーダの宗教で使われる用語で、意識の最も深い内側にある個の根源を意味する。真我とも訳される。
プルシャ(puruṣa, サンスクリット語: पुरुष)とは
サーンキヤの概念
サーンキヤ学派では、精神原理プルシャと物質原理プラクリティが対置されている。
サーンキヤでは、プルシャは物質的要素をまったくはなれた純粋なものとされる。
同学派は、「私はだれだれである」とか「私の何々は」といった意識は、プラクリティから生じた心理器官に属するとし、それらの意識は上位器官である理性に属するとするが、プルシャはそうした意識や理性とは別であるとし、またプルシャは様々な感情とも異なるとする。
プルシャは、プラクリティの展開がつくりだす現象世界を観照するとする。
プルシャを説明するのに、水面や鏡に映った映像を見る人のたとえが用いられている。
サーンキヤ学派(サーンキヤがくは、梵: साङ्ख्यदर्शनम्、Sāṅkhya-darśana)とは、インド哲学の学派のひとつで、六派哲学の1つに数えられる。
世界の根源として、精神原理であるプルシャ(神我、自己)と物質原理であるプラクリティ(自性、原質)という、2つの究極的実体原理を想定する。
厳密な二元論であり、世界はプルシャの観照を契機に、プラクリティから展開して生じると考えた。
サーンキヤ学、あるいはサーンキヤとも。またSāṅkhya(サーンキヤ)は「数え上げる」「考え合わせる」という意味で、数論派、数論学派とも。
唯我独尊(ゆいがどくそん)とは、釈迦が誕生した時に言ったとされる言葉。
元来、「天上天下唯我独尊」は、釈迦が言ったのではない。釈迦以前に出世したといわれる過去七仏の第1仏である毘婆尸仏(びばし)が誕生した際に言ったとされる。
涅槃(ねはん、サンスクリット語: निर्वाण、nirvāṇa(ニルヴァーナ)、パーリ語: निब्बान、nibbāna(ニッバーナ))とは、仏教において、煩悩を滅尽して悟りの智慧(菩提)を完成した境地のこと。
涅槃は、生死を超えた悟りの世界であり、仏教の究極的な実践目的とされる。
般涅槃(はつねはん)や大般涅槃ともいう。
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