プラクリティと3グナ(サットヴァ、ラジャス、タマス)
「自分」と呼んでいる存在の本質について、古今東西多くの人々が探求してきた。
古代インドのサーンキヤ学派では、精神原理プルシャと物質原理プラクリティの混成によって「自分」が作られている、と説明されていた。
この「プラクリティ」とは何か?
プラクリティとは?
プラクリティ(サンスクリット प्रकृति, prakṛti)とは、サーンキヤ学派のたてる物質原理のこと。
アルファベットではprakrti、prakriti、prakrutiなどと表記されていることがある。和訳では「プラクリティ」や「プラクルティ」などカタカナ表記が一般的ではあるが、あえて漢字表記する場合は根本原質と訳される。
サーンキヤ学派は、純粋な精神原理のプルシャと物質原理のプラクリティのふたつを実在するものと考えており、その片方にあたるものである。
サーンキヤ学派では、プルシャはあらゆる物質性を排した存在である、とされる。
それに対してプラクリティというただひとつの物質原理によりこの世界の物質的なものが生じた、とする。
存在論的に述べると、プラクリティは現象世界の根源的物質であり、現象的存在(個々の物)は全てプラクリティの変化によって生じたもの、とする。
そのため、pradhāna プラダーナ(= 第一原因)とも呼ばれる。
解脱論的に述べると、サーンキヤ学派はプラクリティは身体のあらゆる物質的要素を指すものとして用いられている。
同学派は、解脱とはプルシャがプラクリティ(全ての身体的要素)とは別の存在であることを認識すること、とした。
Prakṛti, also Prakṛiti or Prakṛuti (from Sanskrit language प्रकृति, prakṛti), means "nature".
It is a key concept in Hinduism, formulated by its Samkhya school, and refers to the primal matter with three different innate qualities (Guṇas) whose equilibrium is the basis of all observed empirical reality.
Prakriti, in this school, contrasts with Purusha which is pure awareness and metaphysical consciousness.
The term is also found in the texts of other Indian religions such as Jainism, and Buddhism.
In Indian languages derived from Indo-European Sanskrit roots, Prakriti refers to the feminine aspect of all life forms, and more specifically a woman is seen as a symbol of Prakriti.
According to Samkhya and the Bhagavad Gita Prakrti or Nature is composed of the three gunas which are tendencies or modes of operation, known as rajas (creation), sattva (preservation), and tamas (destruction).
Sattva encompasses qualities of goodness, light, and harmony.
Rajas is associated with concepts of energy, activity, and passion; so that, depending on how it is used, it can either have a supportive or hindering effect on the evolution of the soul.
Tamas is commonly associated with inertia, darkness, insensitivity.
Souls who are more tamasic are considered imbued in darkness and take the longest to reach liberation.
物質原理の「プラクリティ」は、日本語では「根本自性」「根本原質」などと訳されている。
プラクリティは、さらに3つの「グナ」(Guna)から構成されている、と言われている。
三グナは、
- サットヴァ(Sattva)
- ラジャス(Rajas)
- タマス(Tamas)
の3つである。
グナとは?
物質的原理はプラクリティprakṛtiまたはプラダーナpradhāna(〈自性〉)と呼ばれ,唯一の実体であって,永遠で活動性をもち,非精神的な質量因である。
物質的原理は三つの構成要素トリグナtriguṇa(〈三徳〉)から成る。
その三つとはサットバsattva(〈純質〉),ラジャスrajas(〈激質〉),タマスtamas(〈翳質〉)で,それぞれかかわりあって存在する。
Guṇa depending on the context means "string, thread, or strand", or "virtue, merit, excellence", or "quality, peculiarity, attribute, property".
The concept is originally notable as a feature of Samkhya philosophy, though possibly a later feature of it.
The gunas are now a key concept in nearly all schools of Hindu philosophy.
There are three gunas, according to this worldview, that have always been and continue to be present in all things and beings in the world.
These three gunas are called: sattva (goodness, constructive, harmonious), rajas (passion, active, confused), and tamas (darkness, destructive, chaotic).
All of these three gunas are present in everyone and everything, it is the proportion that is different, according to Hindu worldview.
The interplay of these gunas defines the character of someone or something, of nature and determines the progress of life.
「プラクリティが3つのグナから構成されている」という説は、現代科学の見地から見ても、大変興味深い。
光の三原色
全ての光は、3つの色で表現できる。
すべての光の色はRGBで作れる。
無数にある光の色のうち、特に、赤(Red)緑(Green)青(Blue)の3色を、目に見える光の中での、最も基本の色として「光の三原色」と呼んでいます。これは、このわずか3つの色の組み合わせで、この世に存在するほとんど全ての色を作り出すことができるためです。
RGBの3色ですべての色が作れるということは、実はたいへん重要な意味があります。例えばパソコンやテレビや携帯(けいたい)電話のディスプレイにカラー写真を表示する時、この3つの色についてだけ、どれだけの明るさで表示すればよいかの計算をしておけばすむわけです。ディスプレイの画面を拡大して観察するとこの3色で表示されていることが確認できます。
原色(げんしょく、英: primary colors、単に primary とも)とは、混合することであらゆる種類の色を生み出せる、互いに独立な色の組み合わせのこと。互いに独立な色とは、たとえば原色が三つの場合、二つを混ぜても残る三つ目の色を作ることができないという意味である。
人類の目においては、原色は三つの色の組み合わせであることが多い。たとえばテレビモニターや照明などで、異なる色の光を重ねて新たな色を作る加法混合の三原色は、通常赤・緑・青の三色である。また、絵具を混ぜたりカラー印刷で色インクを併置するときに行われる減法混合の場合の三原色は、シアン・マゼンタ・イエロー(黄色)の三色である。
原色とされる色の選択は基本的には恣意的なものである。加法混合の三原色に使う赤・緑・青も多様であり、表現のしやすさなどを考えに入れてさまざまな基準が定められている。またたとえば、リュミエール兄弟が開発した初期のカラー写真・オートクローム (Autochrome Lumière) では、赤・緑・青のほかに橙(オレンジ)・緑・紫の組み合わせも使われた。
- 2つの要素の組合せでは表現できない情報でも、3つの要素を組合せれば表現できる。
- 最低限3つの要素があれば、全ての情報を表現できる。
- プラクリティが3つのグナから構成されている、という説明は合理的に思える。
クォーク
物質の根源的構成要素は、現代の物理学(量子物理学など)では、クォーク理論で説明されている。
クォーク(quark)とは、素粒子のグループの一つである。レプトンとともに物質の基本的な構成要素であり、クォークはハドロンを構成する。クオークと表記することもある。
クォークという名称は、1963年にモデルの提唱者の一人であるマレー・ゲルマンにより、ジェイムズ・ジョイスの小説『フィネガンズ・ウェイク』中の一節 "Three quarks for Muster Mark" から命名された。
クォークは、現在の実験的事実から内部構造を持たないとされており、レプトン、ゲージ粒子およびヒッグス粒子とともに標準模型を構成する素粒子のグループである。
クォークどうしは結合してハドロン(バリオンやメソンなど)と呼ばれる複合粒子を形成する。
最も安定なハドロンは、原子核の構成要素である陽子および中性子である。
クォークの閉じ込めとして知られる現象により、クォークは相当な高エネルギー状態でなければ単独で観測されることはなく、ハドロンの中においてのみ観測することができる。
この理由により、クォークについて知られていることはハドロンの状態から分かることがほとんどであり、裸のクォークの性質はまだよく分かっていない。
クォークなどの物質の構成要素もさらに研究が進めば、3グナとの関連性が明らかになると予想する。
万物を形成するためには、お互いに独立した「3つの要素」が必要である、という観点を参考にしたい。